おれと××× その1
〜遡ること7年前〜
きょうもようやく学校がおわったぞ〜!
でもきょうはツイてない。光の前でせいだいに転ぶし、かすみおねーちゃんにも子どもあつかいされてしまった。やだなぁ。
光も光だ。断られるとわかってるのに、毎日ぼくをあそびにさそってくる。ぼくはひとりで気ままに遊びたいんだ!
光をふりきって、町じゅうをたんけんする。
まずは近所の駄菓子やさんにいってみた。なんとなくおかしの並ぶたなをのぞいていたら、超戦士ドラゴンチョコがあった。
超戦士ドラゴン、毎週かならずみてるんだよなぁ。このチョコなんかCMでもやってるし…なんたってあたりつきだもんね。よし!
がさごそ。
なんだ、きょうはツイてるじゃないか!
駄菓子やのおじちゃんからドラゴンベルトを受け取った。とてもずしりとくる。さっそくつけてみようと思ったら
あっというまにベルトをとられる。
………ああ、やっぱりツイてない。ほんとうはなぐってでも取りかえしたいけど、ぼくにそんな勇気もちからもない。
ドラゴンベルトを手に入れたって、ほんとうに超戦士ドラゴンにはなれなかったんだ…。
足がふるえる。 なにもできない。
たすけて––––––––––––––…
!?
とつぜん聞きなじみのあるセリフとともに、ちいさなオレンジと青が目のまえを横切った。
よくみてみると、それはぼくと同じくらいの年の男の子だった。
それからは、いっしゅんのできごとだった。
気づいたら、男の子が不良をボコボコにたたきのめしていた。
不良はたまらず、ピューと音がでそうないきおいで走っていった。
ぼくがぽかんとその場に立っていると、男の子が近づいてきた。
男の子の服はよごれていたけれど、けがはひとつもなかった。
ぼくはお礼をいってベルトを受け取った。
受け取ったベルトはさっきよりもおもい気がした。
ぼくはか細いこえでへんじをすることでせいいっぱいだった。
そういって男の子は走りさっていった。まるで嵐のような子だったなぁと思いつつ、ぼくはかっこいいなとおもうのだった。