おれと××× その2
はるやすみ。
ようやく光の「いっしょにあそぼ」からかいほうされると思っていたのに、光はまいにち遊びにさそってくる。
ぼくはいつもどおり誘いをことわった。
めんどくさいというのもあるけれど、きのう助けてもらった男の子のことが気になっていたからだ。
今まで光とばかりあそんでいたから、男の子のともだちとあそびたかった。ぼくだって男の子なんだから、おままごとよりももっとちがう遊びがしたいんだ!
あの男の子はどこにいるんだろうと探しまわっていると、果樹園のちかくであそんでいた。
男の子はかせんじきの方に走っていったから、ぼくはついていくことにした。
いっしょにあそぼうといおうとしていたら、向こうからさそわれた。
ぼくが「何をするの?」ときくと、
ヒーローごっこなんて久しぶりだった(というか、光とだとできるわけがない)から、じかんをわすれてあそびつづけた。
気づいたら、空は夕焼けなっていてぼくはなごりおしくも「そろそろかえろう」と提案した。
男の子がざんねんそうにしていると、どこからか犬の鳴き声がした。
どうやら男の子のペットが迎えにきてきてくれたらしい。
その犬は男の子にとびついて、うれしそうにしっぽをふっていた。
あまりにも楽しそうだったから、ぼくは思わず声にだしていた。
こうして男の子はロボをつれてかえっていった。
だが、男の子と「また」あそぶことはなかった。
俺は、ひびきのを離れることになったから。
そして7年後に再びひびきのに戻ることになるのだが、7年という歳月は、過去のことを忘れるのには十分すぎるのだった。
続く